平成27年から訪問しているYさん60歳女性。

長く施設に入っていたのですが、いろいろな理由で自宅で暮らすことになり、訪問が始まりました。

当初は、週1回だったのですが、肺炎を起こしたり、胃ろうを作ることになり、今は平日毎日(2~4回)訪問しています。病気のせいもあるのでしょうが、外に出たがりません。外に出るのは、病院に受診する時だけです。私たちは、基本的にお節介集団です。日中一人でベッドで休んでらっしゃいます。テレビがお友達。そんなのつまんないでしょう、と、ちょこちょこ外に誘います。うちのデイサービスも2回ほど誘ったことがあります。毎回、誘った時は良い返事をするのですが、その後、姉や夫に当たるようです。それで、家族から止めて欲しいと言われていました。

ただ、訪問中は、やっぱり起きたいようで、「起こして」と言われます。それでも、車椅子に坐るのは嫌! 数か月前からでしょうか、帰り間際になると「帰らないで」と言われるようになりました。そう言われても無理ですし、私は優しくないので「それは無理。あなたが、きりんに来るなら、誰かいるから良いけど」と返していました。そんなある日です。「足の痛みも無くなったのなら、車椅子に坐る気になった?」と聞くと、何と「うん」と頷きます。「じゃあ、外にでも行く?」と返すと、それも「うん」。それじゃあ、と、2時間後の訪問の時に、きりんの事務所までお散歩。途中、神社にも手を合わせ、何やら願っているようです。

そして、2週間後、「今日も天気良いけど、外出る?」と聞くと「うれしい」と。あなたの口から、嬉しいなんて言葉が聞かれるなんて……。丁度、その数日前から、伊勢丹に行きたいとか何とか話があったようです。ただ、残念ながら、彼女の話はうちの一人のスタッフ以外は聞き取れません。何とか、実現したいな。

関所は、お姉さんです。先ず、出かける目的(何を買いたいのか)を明確にして、何とかお姉さんを説得するしかありません。結果的に、お姉さんの了承を得ました。本人から目的を聞きだしたスタッフ偉い!姉を説得した私も偉い!(笑)

今月の半ばに出かける予定です。この時期にわざわざ出かけるなんて……という意見もあるでしょうが、それは、自由に出かけられる人の意見。施設に入ってる時から、楽しみとしてのお出かけはしてなかったでしょう。引きこもりとは違います。けれど、やっぱり、生きてる間は出来る事なら楽しく生きて欲しい。勿論、万全の準備をして出かけます。